- 「業界を選んだ理由」について面接官が質問する意図は?
- 「業界を選んだ理由」がないときの面接例文を知りたい…
業界を選んだ理由は、就活・転職面接でよく聞かれる定番質問です。本記事を読むことで、内定を勝ち取るための回答方法が分かります。
企業の面接官はこの質問を通して、あなたの強みや仕事観、業界理解度を知ることで、企業が求める人物像に適性があるかを見極めています。
たとえ「業界を選んだ理由」がない場合でも、自己分析で診断したあなたの強みを軸に答えることが、採用内定に繋がります。
本記事では、「業界を選んだ理由」がない場合の就活・転職面接における回答例文6選と自己分析法を解説します。
「業界を選んだ理由」の面接官の質問意図
「業界を選んだ理由」がない場合、まず面接官が業界について質問する意図を理解しましょう。
- 「強み」を知るため。
- 「仕事観」を知るため。
- 「業界理解度」を知るため。
- 企業との「適性」を知るため。
【1】「強み」を知るため
企業の面接官は「業界を選んだ理由」を尋ねることで、あなたの強みを知りたいと考えています。
面接官は、あなたが業界を選ぶ中で自分の強みをどれだけ認識しているか、そして選んだ業界でどのように強みを活かせるかに関心を持っているからです。
そのため、自己分析によって明らかになったあなたの強みを含めながら答える必要があります。
【2】「仕事観」を知るため
また、面接官は「業界を選んだ理由」を通して、あなたの仕事観を知りたいと考えています。
業界を選んだ理由を知ることで、あなたが仕事に対して抱いている価値観や将来のキャリアをどのように考えているのかが分かるからです。
しっかりとした仕事観を持っている人の方が、採用後に活躍が見込めます。
【3】「業界理解度」を知るため
さらに、面接官は「業界を選んだ理由」を通して、あなたの業界理解度を知りたいと考えています。
業界を選んだ理由を聞くことで、あなたがその業界についてどれほど理解しているか、またしっかりと調べたかどうかが分かるからです。
面接官はあなたの業界理解度を知ることで、就活や転職に対する熱意や真剣さを知りたいのです。
【4】企業との「適性」を知るため
最後に、面接官は「業界を選んだ理由」を尋ねて、企業との適性を知りたいと考えています。
質問を通して分かったあなたの強みや仕事観、業界理解度などを総合的に判断し、企業が求める人物像にどれほど適しているかを見極めているのです。
企業との適性がある人ほど、入社後も安定的に長く活躍できると考えられるからです。
・「業界を選んだ理由」の質問意図⇒強み、仕事観、業界理解度、企業との適性を知るため。
「業界を選んだ理由」に対するNG回答例文
続いて、「業界を選んだ理由」がない場合でも注意したいNG回答例文について解説します。
- あなたの「強み」が伝わらない回答。
- 「仕事観・業界理解度」を疑われる回答。
- 企業との「適性がない」と判断される回答。
【1】あなたの「強み」が伝わらない回答
まず、「業界を選んだ理由」に対して、あなたの強みが伝わらない回答はNGです。
- 「大学の経営学ゼミで町工場を研究したことから、日本のモノづくり産業に関心を持ち、製造業界を選びました。」
- 「前職の取引先として御社のような小売店の開拓を多く担当したため、転職先として小売業界を選びました。」
単に何かきっかけがあったので興味を持ったというだけの理由では、あなたの強みが含まれておらず、面接官の印象に残りません。
あなたの強みが業界を選ぶきっかけになったことを答えましょう。
【2】「仕事観・業界理解度」を疑われる回答
また、「業界を選んだ理由」に対して、仕事観や業界理解度を疑われる回答もNGです。
- 「合同説明会でさまざまな業界のお話を聞く中で、アパレル業界の方々が明るく活発なイメージだったからです。」
- 「前職と同じような金融業界であるため、前職で培ってきた知識をある程度活かせるだろうと考えたからです。」
例えば、業界関係者との関わりがあった、前職と同じ業界だからという理由だけでは、あなたの仕事観や業界理解度を疑われます。
より具体的なエピソードをもとに、今後のキャリアとしてなぜその業界を選んだのかを明確に答えましょう。
【3】企業との「適性がない」と判断される回答
さらに、「業界を選んだ理由」に対して、企業との適性がないと判断される回答もNGです。
- 「ひとりでこつこつと作業することや、スキルアップできる機会が多いと考えたのでIT業界を選びました。」
- 「前職では営業成績が常にトップでした。このため、インセンティブが多い外資系生保業界を選びました。」
一人で仕事ができる、スキルアップしたい、評価されたいなどの個人主義的な理由では、協調性を重視する企業から適性がないと判断されます。
事前に求人情報から企業の特色や価値観を調べ、企業の期待に沿った回答を心がけましょう。
・「業界を選んだ理由」のNG回答⇒強みが伝わらない、仕事観・業界理解度を疑われる、企業との適性がないと判断される回答。
「業界を選んだ理由」がないのは当たり前
就活・転職面接で「業界を選んだ理由」がないことはよくあることで、深く思い悩む必要はありません。
企業の面接官も、はっきりとした業界選択の理由を求めているわけではなく、回答の背後にあるあなたの強みや仕事観、業界理解度を探っているだけなのです。
特に、あなたの強みをしっかりと印象付けることができれば、多少回答に不備があっても挽回できます。
そこで、あなたの強みを軸に質問に答えられるようになる方法を解説します。
・「業界を選んだ理由」がないのは当たり前⇒背後にあるあなたの強みを印象付けることが大切。
「業界を選んだ理由」がない時は強みを軸に答える
「業界を選んだ理由」がない場合でも、あなたの強みを軸に考えることで、必ず内定を勝ち取る回答ができるようになります。
自分の「強み」が分からない応募者は採用されない
一般企業の採用担当者106名を対象としたアンケート調査では、9割以上の面接官が「自分の強みが分からない応募者は採用しない」と回答しています。
採用試験では、「強み」を知ることが絶対に欠かせません。企業は、「強み」を理解していない人に魅力を感じないからです。
面接官は応募者が「自己分析」をしているか分かる
また、9割以上の面接官が質疑応答中に「応募者が自己分析を行っているかどうかが分かる」と回答しています。
面接官は応募者が自己分析をしているかどうか、簡単に見抜けるということです。
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面接を突破するためには、必ず自己分析をして自分の「強み」を診断し、面接対策を行う必要があります。
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「業界を選んだ理由」がない時の面接回答例文6選
自己分析であなたの強みを診断したら、「業界を選んだ理由」がない時でもその強みを軸に回答できます。
ここでは就活・転職に分けて面接での回答例文6選を紹介します。以下のポイントに気をつけて答えましょう。
- 「強み」を活かせることが業界を選んだ理由と述べる。
- 過去に強みを活かした「エピソードと学び」を述べる。
- 志望先企業で「強みを活かせること」を改めて述べる。
就活|面接回答例文3選(業界を選んだ理由がない)
:チームワーク
自己分析で分かった強み志望業界:食品メーカー
チームワークを活かせることから食品業界を選びました。大学の登山サークルで初めての登頂を目指したとき、学生の間での経験の差が大きく、ペースを合わせるのが難しかったことがありました。しかし、学生同士でフォローし合い、登山ルートを入念に相談することで、無事に初登頂を果たすことができました。この経験から、チーム全員が力を合わせることで難しい目標も達成できると学びました。食品業界では、新商品の開発や製造、販売において、社員が力を合わせて一つの製品を作り上げることが求められると思います。味や品質など、各部署の力を結集してお客様の手に食品を届ける中で、チームワークを活かせると感じて食品業界を選びました。
:計画力
自己分析で分かった強み志望業界:金融(銀行)
計画的に物事を進める力を発揮できると考え、銀行業界を選びました。私は大学入学後からファイナンシャルプランナー資格の取得を目指して勉強を始めました。学業やアルバイトで忙しい中でも、1日の勉強量を細かく分割したり、アルバイトや授業の隙間時間を有効活用することで無理なく学習を続け、無事に在学中に資格試験に合格することができました。この経験から、計画的に取り組むことが結果につながると学びました。銀行業務では融資の申請処理や窓口業務などで常に計画性が求められると考えています。日々の業務を効率よく進めるため、細かいスケジュール管理や顧客対応において計画力を発揮できると考えて、銀行業界を選びました。
:傾聴力
自己分析で分かった強み志望業界:アパレル
傾聴力を活かせると思い、アパレル業界を選びました。私は大学三年からスーパーマーケットでアルバイトをしていました。お客様から寄せられる商品のクレームや品ぞろえに対するご意見に真摯に耳を傾け、ご希望の品を確認したり、品ぞろえに反映することで「また来るね」と感謝の言葉をいただくことが多くありました。この経験を通じて、お客様との対話を大切にすることで信頼を築き、満足度を高められると学びました。お客様との会話を通じてサービスを提供できるアパレル販売だからこそ、傾聴力を活かしてお客様が「また来たい」と思える店舗作りに貢献できると考え、アパレル業界を選びました。
転職|面接回答例文3選(業界を選んだ理由がない)
:問題解決力
自己分析で分かった強み志望業界:保険
お客様の問題を解決する力を活かせると考え、保険業界を選びました。前職では、搬入スペースが限られている建設現場には小型の建機を提案し、土壌が軟弱で大型の重機が使用しづらい現場には、柔軟に動ける可動域の広い建機を導入しました。現場ごとに提案方法を変えることで、多くの発注をいただいてきました。この経験から、顧客が抱える問題を正確に把握し、解決策として製品を提案することが契約につながることを学びました。保険提案でも、お客様の人生に深く関わる問題を解決することが求められると考えています。こうした問題解決の経験と姿勢を活かし、お客様一人ひとりに寄り添った保険提案を行いたいと考え、保険業界を選びました。
:行動力
自己分析で分かった強み志望業界:IT(広告)
私は行動力を発揮できると考え、インターネット広告業界を選びました。前職では、中古車の売上が低迷していた時期に販促キャンペーンに携わりました。キャンペーンの中で、チラシやポスターの制作に加え、店舗ホームページの更新や試乗後のお客様へのダイレクトメール送信など、接触機会を増やして購入につなげました。与えられた仕事だけでなく、自ら積極的に動くことが売上に大きく影響することを学びました。インターネット広告業界では、広告効果の改善や新規の販促企画など、常に行動力が求められると考えています。顧客企業の要望に応じた具体的な提案を行いたいと思い、インターネット広告業界を選びました。
:気配り
自己分析で分かった強み志望業界:介護福祉
私は、気配りの力を活かせると考え、介護業界を選びました。前職のエステサロンでは、お客様の体調や肌質の変化に合わせ、最適な施術のタイミングを見計らい、カウンセリングを行うなど、お客様に安心していただけるよう細やかな配慮を徹底しました。その結果、多くのお客様から「安心して任せられる」という声をいただきました。この経験から、気配りの心を持って仕事をすることが、お客様の信頼獲得に直結すると学びました。介護業界には、細やかな気配りの文化が根付いていると感じています。安心して施設を利用いただける環境づくりに努め、利用者やご家族の生活を支える介護事務として貢献したいと考え、介護業界を選びました。
まとめ
以上、「業界を選んだ理由」がない場合の就活・転職面接における回答例文6選と自己分析法について解説しました。
・「業界を選んだ理由」の面接官の質問意図は、強み、仕事観、業界理解度、企業との適性を知るため。
・「業界を選んだ理由」に対するNG回答は、強みが伝わらない、仕事観・業界理解度を疑われる、企業との適性がないと判断される回答。
・「業界を選んだ理由」がないのは当たり前であり、背後にあるあなたの強みを印象付けることが大切。
・「業界を選んだ理由」がない場合でも、あなたの強みを軸に考えることで内定を勝ち取る回答ができる。
・「業界を選んだ理由」がない時は、強みを活かせることが業界を選んだ理由であること、過去に強みを活かしたエピソードと学び、志望先企業で強みを活かせること、の順に述べる。